かぐや姫の生い立ち 品詞分解。 竹取物語『なよ竹のかぐや姫/かぐや姫の生い立ち』品詞分解のみ(1)

竹取物語、かぐや姫の昇天、品詞と敬語の種類の見分け方

かぐや姫の生い立ち 品詞分解

なよ竹のかぐや姫・生い立ち ・ 「なよ竹のかぐや姫・生い立ち」の現代語訳と品詞分解です。 現代語訳と品詞分解を並べて記載しています。 ・ 500個ほど有るといわれている重要語句は カラーで表示しています。 ・ (古文記事一覧)> ・ 下の画像クリックで次のページに進む。 [ 現代語訳・品詞分解・原文 ] [ 詳しい解説 ] 今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。 翁(おきな) 今では昔のことだが、竹取の翁という者がいた。 ・ いふ … ハ行四段活用の動詞「いふ」の連体形 ・ あり … ラ行変格活用の動詞「あり」の連用形 ・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 野や山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた。 ・ まじり … ラ行四段活用の動詞「まじる」の連用形 ・ 取り … ラ行四段活用の動詞「取る」の連用形 ・ 使ひ … ハ行四段活用の動詞「使ふ」の連用形 ・ けり … 過去の助動詞「けり」の終止形 名をば、さかきの造となむいひける。 造(みやつこ) 名をさかきの造といった。 その竹の中に、根元の光る竹が一本あった。 不思議に思って近寄って見ると、筒の中が光っていた。 それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。 それを見ると、三寸ぐらいの人が、たいそうかわいらしい様子で座っていた。 翁言ふやう、「わが朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて知りぬ。 翁が言うには、「私が毎朝毎晩見る竹の中にいらっしゃったので見つけた。 子になり給ふべき人なめり。 」とて、 わが子におなりになるはずの人であるようだ。 」と言って、 手にうち入れて、家へ持ちて来ぬ。 手の中に入れて、家へ持って来た。 妻の嫗に預けて養はす。 妻である老女に預けて育てさせる。 うつくしきこと限りなし。 かわいらしいことはこのうえもない。 いとをさなければ、籠に入れて養ふ。 たいそう幼いので、籠に入れて育てる。 竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのちに竹取るに、 竹取の翁が、竹を取ると、この子を見つけた後に竹を取ると、 節を隔ててよごとに、黄金ある竹を見つくること重なりぬ。 どの節と節の間にも、黄金が入っている竹を見つけることが重なった。 かくて、翁やうやう豊かになりゆく。 こうして、翁はだんだん裕福になっていく。 この児、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。 この子は、養育するうちに、すくすくと大きく成長する。 三月ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、 三か月ほどになる頃に、人並みの大きさの人になったので、 髮上げなどさうして、髮上げさせ、裳着す。 髪上げの儀式などあれこれ手配して、髪を結い上げさせ、裳を着せる。 帳の内よりも出ださず、いつき養ふ。 帳の中からも出さないで、大切に養育する。 この児のかたち、けうらなること世になく、 この子の容貌は、清らかで美しいこと世にないほどであり、 屋の内は暗き所なく光満ちたり。 家の中は暗い所もなく光が満ちていた。 翁、心地悪しく苦しきときも、この子を見れば、苦しきこともやみぬ。 翁は、気分が悪く、苦しいときも、この子を見ると、苦しいこともおさまった。 腹立たしきことも慰みけり。 腹立たしいことも心が晴れた。 翁、竹を取ること久しくなりぬ。 翁は、黄金の入っている竹を取ることが長く続いた。 勢ひ猛の者になりにけり。 勢力のある富豪になった。 この子いと大きになりぬれば、 この子がとても大きくなったので、 名を、三室戸斎部の秋田を呼びてつけさす。 名前を、三室戸の斎部の秋田を呼んでつけさせる。 秋田、なよ竹のかぐや姫とつけつ。 秋田は、なよ竹のかぐや姫と名づけた。 このほど三日うちあげ遊ぶ。 このとき三日間盛大に歌舞の宴を開く。 よろづの遊びをぞしける。 あらゆる歌舞を楽しんだ。 男はうけきらはず呼び集へて、いとかしこく遊ぶ。 男は分け隔てせずに招き集めて、とても盛大に歌舞を楽しむ。 世界のをのこ、貴なるもいやしきも、 世間の男、身分の高い人も低い人も、 いかでこのかぐや姫を得てしがな、 なんとかしてこのかぐや姫を手に入れたいものだ、 見てしがなと、音に聞き、めでて惑ふ。 妻にしたいものだと、うわさに聞き、恋しくて心を乱す。 Copyright プロ家庭教師タカシ All Rights Reserved.

次の

なよ竹のかぐや姫・生い立ち 現代語訳・品詞分解ひと目でわかる

かぐや姫の生い立ち 品詞分解

かぐや姫の生い立ち ここでは、竹取物語の冒頭「今は昔、竹取の翁といふもの〜」から始まる部分の品詞分解を行っています。 書籍によっては、「かぐや姫の生い立ち」や「なよ竹のかぐや姫」、「かぐや姫の成長」などと題するものもあるようです。 27 — Duration: 29:29. Author: おひさま太郎 「竹取物語冒頭」 ここでは、竹取物語の冒頭部分の「この児養ふほどに、すくすくと~」から始まる部分の品詞分解を行っています。 書籍によっては、「かぐや姫の生い立ち」や「なよ竹のかぐや姫」、「かぐや姫の成長」などと題するものもあるようです。 「竹取物語」の冒頭 「かぐや姫の生ひたち・なよ竹のかぐや姫 かぐや姫の誕生 かぐや姫の成長」の品詞分解です。 助動詞・用言(動詞・形容詞・形容動詞)を品詞別に色分け表示。 敬語(動詞・助動詞)と音便も別途色分け表示。 今回は、「竹取物語」の冒頭「 かぐや姫の生ひたち(なよ竹のかぐや姫・かぐや姫の誕生・かぐや姫の成長)」の原文・現代語訳(口語訳)・品詞分解(文法的説明)・語句の意味・文法解説・敬語(敬意の方向)・係り結び・鑑賞・おすすめ書籍などについて紹介します。 「竹取物語 かぐや姫の嘆き」の品詞分解です。 助動詞・用言(動詞・形容詞・形容動詞)を品詞別に色分け表示。 敬語(動詞・助動詞)と音便も別途色分け表示。 天の羽衣入れ り。 またあるは、不死の薬入れ り。 せ=使役の助動詞「す」の連用形、接続は未然形。 竹取物語の冒頭の原文と現代語訳です。 竹取の翁が、竹の中から小さな女の子を見つけて育て、成長した娘に、かぐや姫と名付ける一節です。 竹取物語・一・『今は昔、竹取の翁といふ者ありけり』 : 冒頭 (原文・現代語訳) 竹取物語『なよ竹のかぐや姫/かぐや姫の生い立ち』現代語訳(1)(2) next 竹取物語『なよ竹のかぐや姫/かぐや姫の生い立ち』解説・品詞分解(2) 竹取物語の原文と現代語訳を全文掲載したサイトです。 現代語訳は、分かりやすく原文に忠実な言葉遣いで表し、全訳を対照併記しました。 昔話『かぐや姫』として、子供から大人まで親しまれている竹取物語を完全版でお楽しみください。 Copyright プロ家庭教師タカシ All Rights Reserved 竹取物語の冒頭の原文と現代語訳です。 竹取の翁が、竹の中から小さな女の子を見つけて育て、成長した娘に、かぐや姫と名付ける一節です。 竹取物語・一・『今は昔、竹取の翁といふ者ありけり』 : 冒頭 (原文・現代語訳) 「黒=原文」・「赤=解説」・「青=現代語訳」 原文・現代語訳のみはこちら竹取物語『天の羽衣・かぐや姫の昇天』現代語訳(1) 立て る人どもは、装束(しょうぞく)のきよらなること、ものにも似ず。 飛ぶ車一つ具(ぐ)し たり。 羅蓋(らがい)さしたり。 解説・品詞分解はこちら竹取物語『なよ竹のかぐや姫/かぐや姫の生い立ち』解説・品詞分解(1) 今は昔、竹取の翁といふものありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 今となっては昔のことであるが、竹取の翁という者がいた。 「竹取物語」の冒頭 「かぐや姫の生ひたち・なよ竹のかぐや姫」の全文・「ひらがな」の「歴的仮名遣い」と「現代仮名遣い」です。 現代仮名遣い(表記)=青色表示【】内に記載。 読み(発音)=橙色表示《》内に記載。 Googleで見つけられなかったのですが、もしあればリンクを貼っていただけると嬉しいです。 以下の文章です。 世界のをのこ、貴なるも卑しき 竹取物語の富士の煙で、助動詞の意味と動詞の 行 段とか教えて下さい。 その後、翁、嫗、血の涙を/流し・動・連用形/て/惑へ・動・已然形/ど、甲斐なし。 この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。 こんにちは。 「竹取物語」は、「かぐや姫」という題名で、広く知られています。 小さい頃に、日本の昔話として読んだ方も、たくさんいらっしゃると思い (竹取物語)「かぐや姫のおひたち」 pdf 一太郎ファイル 120103 (宇治拾遺物語)「絵仏師良秀」 pdf 一太郎ファイル 120103 (土佐日記)「門出」 pdf 一太郎ファイル 120103 「平家物語」の冒頭 「祇園精舎」の品詞分解です。 助動詞・用言(動詞・形容詞・形容動詞)を品詞別に色分け表示。 敬語(動詞・助動詞)と音便も別途色分け表示。 助動詞=赤動詞=青形容詞=黄形容動詞=紫敬語(動詞・助動詞)=緑音便=橙 現代語訳や語句・文法などの解説は別サイト 竹取物語 現代語訳つき朗読. いまはむかし、たけとりの翁といふものありけり。 『竹取物語』は文章というよりも、「絵」としておぼえていらっしゃる方が多いと思います。 冒頭の、竹林の中で翁が光る竹を見つける場面。 この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。 こんにちは。 「竹取物語」は、「かぐや姫」という題名で、広く知られています。 小さい頃に、日本の昔話として読んだ方も、たくさんいらっしゃると思い 中3です。 国語の古文が苦手で困っています。 読書は好きな方なので、模試や入試に出そうな古文を、少しずつ読んでおきたいと考えているのですが、そういった古文がたくさん載っている文庫本、参考書などはありますか? 物語の祖である『竹取物語』。 後世において「日本最古のsf」とされる見方も出ていますが、その根拠は、いずれもかぐや姫の描写に由来しています。 それどころか、かぐや姫は月からやってきた宇宙人だというトンデモ説があるのです。 根拠のひとつは、かぐや姫が育つ早さ。 加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。 また、ご意見などがありましたら、お気軽にノートへどうぞ。 3 「なりにたり」の品詞分解は。 なり(四用)に(完了用)たり(完了止) 7.かぐや姫は、罪をつくり給へりければ、かくいやしきおのれがもとに、しばしおはしつるなり。 罪の限り果てぬればかく迎ふるを、翁は泣き嘆く、あたはぬことなり。 『竹取物語』かぐや姫の誕生のあらすじ. 竹取を生業とする老人が、生えている竹の中から美しい子どもを見つけ大事に育てて、金持ちになり、世の男性を虜にしたという話。 かぐや姫の名付けの辺りまで。 野山にまじりて竹を取りつつ、万の事に使ひけり。 名をばさぬきのみやつことなん言ひける。 今回は、「枕草子 春はあけぼの 1段(冒頭)」の原文・現代語訳(口語訳)・品詞分解(文法的説明)・語句の意味・文法解説・鑑賞・おすすめ書籍などについて紹介します。 今となっては昔のことだが、竹取の翁 おきな というものがいたそうだ。 今は昔物語の冒頭部分のお決まり言葉です。 どの文章でも、「今は昔」と出てきたら、「今となっては昔のこと 話し だが」と訳しましょう。 6 「いと幼ければ」を品詞分解して文法的に説明しなさい。 いと・副詞、幼けれ・ク活用形容詞「幼し」の已然形、ば・接続助詞. 竹取物語 一覧へ 練習問題 一覧へ 中3です。 国語の古文が苦手で困っています。 5つ星のうち4. 0 1 - 『竹取物語 現代考 原文・注釈・現代語訳・解説付き』が新発売!! 大筒木出版 no. 1 1. 言ふかひなうものし給ふかな 『大鏡』菅原道真の左遷 現代語訳 よくわかる おもしろい [PDF] 第三章では、日本と中国の月と『竹取物語』に おける「月の都」、そして『竹取物語』の主題に ついて考察した。 中秋名月という儀式が、中国か ら日本へと渡り、『竹取物語』がそれを取り入れ ることによって、「月の都」を縞麗に描き出して いる。 ころは二月十八日の酉の刻ばかりのことなるに、 時は二月十八日、午後六時頃のことであったが、 をりふし北風激しくて、 磯打つ波も高かりけり。 おりから北風が激しく吹いて、岸を打つ波も高かった。 舟は、揺り上げ揺りすゑ漂へば、扇もくしに定まらずひらめいたり。

次の

竹取物語(たけとりものがたり)とは

かぐや姫の生い立ち 品詞分解

スポンサーリンク 『竹取物語』は平安時代(9~10世紀頃)に成立したと推定されている日本最古の物語文学であり、子ども向けの童話である 『かぐや姫』の原型となっている古典でもあります。 『竹取物語』は、 『竹取翁の物語』や 『かぐや姫の物語』と呼ばれることもあります。 『竹取物語』は作者不詳であり成立年代も不明です。 しかし、10世紀の『大和物語』『うつほ物語』『源氏物語』、11世紀の『栄花物語』『狭衣物語』などに『竹取物語』への言及が見られることから、10世紀頃までには既に物語が作られていたと考えられます。 このウェブページでは、『なほ、この女見では、世にあるまじき心地のしければ~』の部分の原文・現代語訳(意訳)を記しています。 参考文献 『竹取物語(全)』(角川ソフィア文庫・ビギナーズクラシック),室伏信助『新装・竹取物語』(角川ソフィア文庫),阪倉篤義 『竹取物語』(岩波文庫)• 『竹取物語』の原文・現代語訳4(現在位置) 楽天広告 [古文・原文] なほ、この女見では、世にあるまじき心地のしければ、『天竺(てんじく)にある物も持て来ぬものかは』と思ひめぐらして、石作の皇子は、心の支度ある人にて、『天竺に二つとなき鉢(はち)を、百千万里の程行きたりとも、いかでか取るべき』と思ひて、かぐや姫のもとには、『今日なむ天竺へ石の鉢取りにまかる』と聞かせて、三年ばかり、大和国(やまとのくに)十市(とをち)の郡(こほり)にある山寺に、賓頭盧(びんづる)の前なる鉢のひた黒に墨つきたるを取りて、錦の袋に入れて、造り花の枝につけて、かぐや姫の家に持て来て見せければ、かぐや姫あやしがりて見れば、鉢の中に文(ふみ)あり。 ひろげて見れば、 海山の路に心を尽くし果てないしの鉢の涙流れき かぐや姫、光やあると見るに、蛍(ほたる)ばかりの光だになし。 おく露の光をだにも宿さましを小倉山にて何もとめけむ とて返し出だす。 鉢を門に捨てて、この歌の返しをす。 白山にあへば光の失(う)するかと鉢を捨ててもたのまるるかな と詠みて入れたり。 かぐや姫、返しもせずなりぬ。 耳にも聞き入れざりければ、言ひかかづらひて帰りぬ。 かの鉢を捨ててまた言ひけるよりぞ、面(おも)なき事をば、『はぢを捨つ』とは言ひける。 [現代語訳] それでも、この女と結婚しないでは、この世で生きてはいられないという気持ちがしたので、『たとえ遠い天竺にある物であっても持って来てみせよう。 』と考えを巡らせて、石作の皇子は目先の利く人だったので、『天竺に二つとないような鉢を、百千万里の遠くまで出かけたとして、どうやって手に入れることができるだろうか。 』と思い、かぐや姫の元には、『今日まさに、天竺まで鉢を取りに行ってきます。 』と知らせておき、三年ほど経った後に、大和国の十市の郡にある山寺で、賓頭盧(びんずる,=釈迦の弟子)の前にある鉢で、真っ黒に煤けて、墨がついているものを手に入れ、それを錦の袋に入れて、造花の枝につけてかぐや姫の家に持ってきて見せた。 かぐや姫が疑いながらもその鉢を見ると、中に手紙が入っている。 広げて見ると、 海を越えて山を越える遥かに遠い天竺までの道のり、精根を尽くしながら石の鉢を手に入れたものの、その苦労には涙が流れました。 かぐや姫が、仏の御石の鉢にあるはずの光があるかと確かめたが、蛍ほどのわずかな光さえない。 もしこの鉢が本物なら野にある朝露くらいの光を宿しているはずですが、近くの小倉山でいったい何を探して来たのですか。 と言って鉢を返した。 石作の皇子は鉢を門口に捨てて、この歌に返歌をした。 白山のように光り輝く貴女に会ったために、先ほどまで光っていた光が失せたのかと思い、この鉢を捨てましたが、恥(鉢)を捨ててでも何とか貴女と結婚したいのです。 と詠んで送った。 かぐや姫は返歌もしなかった。 耳にも聞き入れようとしなかったので、皇子はそれ以上何も言うことができずに帰っていった。 あの偽物の鉢を捨てて、また言い寄ったことから、厚かましいことを指して『恥(鉢)を捨てる』と言ったのである。 スポンサーリンク [古文・原文] 庫持の皇子は、心たばかりある人にて、朝廷(おおやけ)には、『筑紫の国に湯あみにまからむ』とて暇(いとま)申して、かぐや姫の家には、『玉の枝取りになむまかる』と言はせて下り給ふに、仕(つこ)うまつるべき人々、皆難波(なにわ)まで御送りしける。 皇子、『いと忍びて』とのたまはせて、人もあまた率(ゐ)ておはしまさず、近う仕うまつる限りして出で給ひ、御送りの人々、見奉り送りて帰りぬ。 『おはしましぬ』と人には見え給ひて、三日ばかりありて漕(こ)ぎ帰り給ひぬ。 かねてこと皆仰せたりければ、その時一つの宝なりける鍛冶工匠(かぢたくみ)六人を召し取りて、たはやすく人寄り来(く)まじき家を作りて、かまどを三重(みえ)にしこめて、工匠らを入れ給ひつつ、皇子も同じ所に籠り給ひて、知らせ給ひたる限り十六所を、かみにくどをあけて、玉の枝を作り給ふ。 かぐや姫のたまふやうに違はず、作り出でつ。 いとかしこくたばかりて、難波にみそかに持ていでぬ。 『舟に乗りて帰り来にけり』と殿に告げやりて、いといたく苦しがりたるさまして居給へり。 迎へに人多く参りたり。 玉の枝をば長櫃(ながひつ)に入れて、物覆ひて持ちて参る。 いつか聞きけむ、『庫持の皇子は優曇華(うどんげ)の花持ちて上り給へり』とののしりけり。 これを、かぐや姫聞きて、『我は、皇子に負けぬべし』と、胸うちつぶれて思ひけり。 [現代語訳] 庫持の皇子は、策略を用いる人であり、朝廷には『筑紫の国に湯治に出かけます。 』と言って休暇届を出しておいて、かぐや姫の家には『玉の枝を取りに参ります。 』と使いを出してから地方に下ろうとするので、お仕えしている人々はみんなで難波までお送りした。 皇子は、『これは秘密で』と言って、お供の者も大勢は連れて行かず、身近に仕えている者だけを連れて出発した。 見送りをした人々は都に戻った。 人々には『都にはいません』という風に見せかけておいて、三日ほどしてから、難波まで舟を漕いで戻ってきた。 あらかじめやるべき事はすべて命じていたので、当時、随一の宝とされていた腕の立つ鍛冶細工師六人を召し寄せ、簡単に人が近寄れないような家を造って、かまどを三重に囲み、細工師らを中に入れて、皇子も同じ所に籠り、自分が治めている荘園十六ヶ所をはじめ、家の財産を注ぎ込んで、立派な玉の枝を作らせた。 かぐや姫が言っていたのと全く同じように玉の枝を作り上げた。 非常に立派なものに仕立て上げてから、難波までひそかに運び込んだのである。 『舟に乗って帰ってきたぞ。 』と自分の屋敷に知らせを遣わせ、皇子はとても疲れてきつそうな様子で座り込んでいた。 お迎えの人々が大勢やって来た。 玉の枝は長櫃に入れて、物で覆ってから都へと運んでいった。 いつの間に噂が広まったのだろうか、『庫持の皇子は優曇華(うどんげ)の花を持って都へお上りになった。 』と世間では騒ぎになっていた。 これをかぐや姫が聞いて、『(その噂が本当なら)私は庫持の皇子にきっと負かされてしまう。 』と、胸が締め付けられるような思いがした。

次の