ライネス エルメロイ。 ロード・エルメロイⅡ世たちが薔薇園でお茶会。描きおろしグッズも登場のナンジャタウンコラボイベント開催

ロード・エルメロイⅡ世たちが薔薇園でお茶会。描きおろしグッズも登場のナンジャタウンコラボイベント開催

ライネス エルメロイ

概要 [ ] かつて開催された第四次聖杯戦争の参加者その人であり、後の世界における通り名。 現代魔術科学部長。 略歴 第四次聖杯戦争から帰還したウェイバーは、ケイネスの死後に零落し見捨てられていたを受け継ぎ、三級講師となった。 一般的な時計塔の講師がせいぜい見込みのある生徒を助手に引きこもうとする程度で真面目に授業を行わない中で、彼の異様に分かりやすく実践的な授業は時計塔で居場所のなかった新世代たちの間でたちまち話題となり、あげく権力争いに敗れた講師たちを何人も説得して登壇させ、これまでになかった多角的な教育体制を実現した。 第五次聖杯戦争の10年後、と共に大聖杯の完全解体を成し遂げ、冬木の聖杯戦争に真の終止符を打った。 人物 いつも不機嫌そうな顔をしており、実際不機嫌。 弟子たちへも容赦なく悪態を飛ばしまくるが指導は的確、面倒見もかなりいいため「デレ期の無いツンデレ先生」と慕われている。 他人をプロデュースすることに関しては当代一の傑物だが、彼にとってはそんなことはどうでもよく、自分自身がとして名を成したいのに教え子ばかりがどんどん伸びていくという事実にイライラしている。 第四次聖杯戦争での一件のせいか、日本も日本人も大嫌いだが、唯一の娯楽が日本製のゲーム。 私服のTシャツには『大戦略』(アドミラブル大戦略)の文字がプリントされている。 ゲームオンチの(と言うか機械音痴な)凛とは相性が悪いらしく、秋葉原のことを尋ねた際に望む答えが返ってこなかったのに逆ギレして暴言を浴びせていた(機械との相性が悪い凛にハイテク天国の秋葉原のことを尋ねること自体が愚の骨頂、と言えばそれまでではあるが…)。 能力 魔術師としての階位は第四階位の「祭位 フェス 」。 それも優秀な生徒を育てたことが評価されてのもので、ライネスの見立てでは彼自身の純粋な魔術の腕前は第五階位の「開位」の下位レベル。 自身は魔術師としてどうしようもないほど平均的で凡庸だが、他人の埋もれた才能を見抜き、鍛え上げることにかけては時計塔随一。 ゆえに彼の元で学んだ魔術師の全員が大成している。 彼の講座には在学生ですら位階持ちが何人もおり、OBともなれば全員が「色位」か「典位」持ちで、うち数名は時計塔の歴史上でも数えるほどしかいない「王冠」の位階に至るのではないかとまで言われている。 彼が教え子たちを集めれば時計塔の勢力図が変わる、とまで言われることも。 もっとも、彼にそんな野心などはなく「笑い話にもならん。 いまだ四階級どまりのこの私が、何で他人の面倒を見てやらなきゃいかんのだ」といった感じで教え子たちとは必要以上に関わりたくもないらしい。 常に愛用している葉巻は使い捨ての魔術礼装であり、それぞれに結界など簡易な魔術が施されているが、その事実は内弟子であるグレイすら知らない。 移動手段として、4人乗りのスポーツクーペ(おそらく、アストンマーティン・DB7、フォグランプの存在から後期型の「ヴァンテージ」と思われる)を所有。 アニメ版0話では、弟子3人を乗せてのカーチェイスを披露した。 バリエーション [ ] キャスター [ ] 『』では「」のという形で登場している。 詳細は「」を参照。 登場作品と役柄 [ ] Fateシリーズ [ ] ゲーム版では出番はないが、TVアニメ版『unlimited blade works』最終話の倫敦編にて、士郎と短時間だが言葉を交わしている。 聖杯大戦の対策に当たる魔術協会の重鎮となっており、優秀なフリーランスの魔術師を集めるため奔走する。 この世界でも10年前行われた亜種の聖杯戦争の一つに参戦、朽ちかけたマントの切れ端を触媒として征服王を召喚している。 にゲームの懸賞品を渡す。 これはフラットの勘違いにより召喚触媒として使用された。 その後フラットを通し現地の異変を知り、安楽椅子探偵として活動を開始する。 亜種聖杯戦争の調査のためにグレイを伴って迷宮に赴いていた。 番外編にて登場。 ある二人が起こした惨状にしばし言葉を失う。 アニメ版ではの代役として、凛とルヴィアに冬木行きを指示している。 主人公にしてタイトル・ロール。 内弟子グレイをワトスン役に、さながら探偵のごとく魔術がらみの謎を解き明かす。 の「英雄史大戦」の指南役を務め、統一性も無く使い辛いカードたちを、高度なプレイングテクニックで駆使して見せた。 単行本6巻特典の『MINIMUM material』ではの魔術の師であることが明かされている。 その他 [ ] 闇のカプさばの調査を依頼され、日本へと向かう。 だが、何故か登場人物のうちで唯一カプさばについて何も知らない。 ウェイバーと共演。 イスカンダルの大戦略Tシャツを買い取ろうとしたりと、かなり残念な成長を遂げている。 と師弟関係を築いており、ウェイバーとイスカンダルを見て自分たちの別の在り方に思いを馳せる場面もある。 謎の観光客として登場。 自己紹介はCDの終盤にて(ただし実際は本名のウェイバー・ベルベットを名乗っている)。 開店から閉店までテーブルについていたのに注文はいっこうに取りに来ず、をはじめ様々な女性陣に絡まれた挙句、精神的・経済的な意味で深刻な被害を蒙る。 人間関係 [ ] 弟子 [ ] 後見を引き受けた学生。 『Character material』では「いっさい魔術の指導をしない」と断言していたが、『TYPE-MOON Fes. 』パンフレットの一問一答コーナーによれば結局はエルメロイ教室に所属することとなった模様。 剥離城アドラでの事件におけるひと悶着を経てなぜか 指導役 チューターとして指名される。 非常に稀有な資質を持ちながらも、一般社会人としても魔術師としても常識外れにユルい彼に対し、やや肉体言語寄りの厳しい指導を喰らわせている。 しかし厳しい指導をしつつも決して彼を見捨てようとはせず、そのためかフラットには慕われている。 剥離城アドラ』の時点ではフラットと1ヶ月の差で最古参。 『case. 魔眼蒐集列車』の直前に「典位」へ昇格し、エルメロイ教室を卒業する。 フラット同様の天才児だが、同じくらい問題児でもあり、グレイとのこともあって扱いに頭を痛めている。 『氷室の天地』世界では弟子。 彼女の中のフォーマルクラフトの素質を見抜いていたが、まずは現在習得しているウィッチクラフトをものにした上で乗り換えさせるべく指導したところ、アドバイスが的確すぎて予想以上にウィッチクラフトの腕前が上がり、立派な森ガール系魔女となってしまった。 とある霊園より見出した少女。 内弟子として公私にわたるサポートをしているが、師匠の私生活がだらしないことには呆れ気味。 普段は灰色のフードを目深にかぶって顔を隠すように言いつけている。 魔眼の大家であるレーマン家の息女。 中立主義のメルアステア派から差し向けられたスパイであることを公言しており、大っぴらに愛人志望などと触れ回るため教育者としては頭が痛い。 魔眼蒐集列車』よりエルメロイ教室に加わる。 天才だったが魔術師としての道を放棄した姉に代わって魔術刻印を継ぎ、時計塔へ入学した。 なお、あちらの世界でも後に(監視の付いた人質のような形ながら)時計塔に入学し、エルメロイ教室で指導を受けることとなる。 ヴェルナー・シザームンド 「蝶魔術の後継者」と呼ばれる。 「色位」か「典位」持ち。 下記のオルロックの後継者であろうか。 ローランド・ペルジンスキー、オルグ・ラム、ラディア・ペンテル、ナジカ・ペンテル、フェズグラム・ヴォル・センベルン ペンテル姉妹は双子ならではの絶妙な魔力同調によって弟子の中でもフラット、スヴィンに次ぐ高弟と目されている。 ペルジンスキーもペンテル姉妹と並んで時計塔で名を馳せている実力者。 名前は出ていないが、事件簿などの教室内モブシーンで魔力を帯びたチャクラムをたびたび投擲しようとしている学生はオルグ・ラムだと思われる。 全員が、ここ数年で「色位」や「典位」を手にしている。 元教え子。 「天体ですら永遠ではない」と彼女に教えた事が、彼女の人生にとっての決定的な転機となった。 ロード・エルメロイの名を継いでからはその才能を素直に評価し、無為にこの世から失われたことを惜しんでいる。 では十年来の因縁に一つの結末を見ることになった。 ケイネスの生前には継承候補の中でも末席にあった少女。 アーチボルト家が没落の憂き目にあった際、復興に尽力したウェイバーへエルメロイの名を与え、その功績を称えると同時に自らの下へと縛り付けた。 アニメ版では凛とルヴィアにクラスカード回収任務を言い渡すところまで代行しており、更にはゼルレッチを「大師父」と呼んでいるなど、やけに設定上の謎が増えた。 時計塔の召喚科学部長。 協会内における保守派と革新派という立場の違いはありながらも、職務上の能力という意味でか、それなりに高く買ってくれてはいるらしい。 非常にプライドが高く、ベルフェバンに噛みつくこともあり、双方の取りなしを担当する事も。 フリーランスの死霊魔術師。 本来の依頼人であるベルフェバン老が一向に近代的な通信手段を導入しないため、代理の窓口として携帯電話による簡易報告などを受け付けていた。 その誼でなのか、事件の終結後にとある礼装を託される。 蝶魔術 パビリオ・マギアの大家たる老魔術師。 剥離城アドラにて最期を看取る。 後年には彼の後継者らしき魔術師の指導にも携わっている。 時計塔法政科に所属する魔術師。 剥離城アドラの事件以降、なにかとマークされている。 事件解決で関わる事も多く、主に真相を巡って敵対する事が多いが場合によっては協力する腐れ縁のような関係。 時計塔における地歩を金で贖ったと噂される中東系の魔術師。 双貌塔イゼルマの事件の際、面識を持つ。 三大貴族の一角、トランベリオの分家の出である調律師。 時計塔における古くからの友人で、かつて第四次聖杯戦争に参戦するため日本へと旅立つウェイバーに飛行機のチケットを用立てたのも彼であるらしい。 ただし自称『親友』ではあるが必ずしも『味方』ではなく、ウェイバーの難儀するさまを傍から堪能したがる悪質な愉快犯の面も持つ。 先代の現代魔術科学部長。 明確に相対したのは魔眼蒐集列車事件の際からではあるが、向こうからはそれ以前より目をつけられていた可能性がある。 ある意味では鏡合わせのごとき対称性を持つ、相容れぬ敵。 ハートレスの召喚したサーヴァント。 トラブルに巻き込まれた際彼がイスカンダルの遺跡を発掘しようとしていたと知り、完膚なきまでに叩きのめすことを決意した。 行きつけの喫茶店を臨時休業に追い込まれたことを皮切りに調査を進め、最終的には彼の魔術と失態を暴き、法政科に拘束させた。 教室を立ち上げた頃からの友人である。 息子のレイノルドをフォークランド紛争で亡くした事から、客員講師として依頼された際にも快く引き受けてくれて、生徒達も子供のように可愛がってくれたとのこと。 その縁から彼の死亡時には遺言執行人に指名されていた。 第四次聖杯戦争で対峙したことのある剣の英霊。 第四次当時、対大海魔の共同戦線を張った際などは普通に会話することもあったが、現在ではいわゆる「セイバー顔」を見たとたん悲鳴を上げるレベルに怖がっている。 ウェイバーが最後に彼女の顔を見たのは、モンスターバイクで神威の車輪に追いすがり、正面から「約束された勝利の剣」をぶっ放してきたという状況なので無理もないのかもしれないが。 また、ケイネスの末路についても詳しい話は知らなかったので、「師匠を殺したサーヴァント」としても悪印象を抱いている模様。 過去の自分自身。 力量的にも性格的にも、思い返すといたたまれなくなるレベルで未熟だったあの頃。 『ちびちゅき!』では同じ学園内にいても干渉する機会はそれほどないものの、初接触が「征服王の脱ぎたてTシャツを言い値で買い取ろうとする」という端から見れば不審者以外の何者でもないシチュエーションになってしまっていた。 かつて、ライダーのサーヴァントとして召喚し、契約を結んだ英霊。 文官出身ながら名将として知られるディアドコイの一人。 こちらはアッドを介して出現したより「似ている」とコメントされている。 おもに眉間のシワの深さと常に胃の痛そうなところであろうか。 当然ながら魔術関連の事情は知らないため、向こうからは大学の先生だと思われている。 が原因だが。 これは 欧米で非常に下品な言葉とされる、所謂「Fワード」であり、英語圏では公共の場で用いることがタブーとなっている。 当然他媒体でこのスラングをそのまま使うのはマズイため、作品によっては。 「魔術師同士の闘争というのがどういうものか理解しているのか? 死ぬよりも悲惨な目にあった挙げ句、何を成すこともできぬまま惨たらしく殺されるかもしれんのだぞ?」 聖杯とか超カッコイイ、見てみたいなどと非常に軽い気持ちで聖杯戦争に挑もうとする教え子、フラットへの苦言。 第四次に参戦した自分以外のマスターはそのほぼ全員が「そういう死に方」をしたのだと、今の彼は知っている。 「死ね! 一生卒業出来ないまま、死ね!」 フラットから、「絶対領域マジシャン先生」と呼ばれて。 実にもっともなセリフである。 「他のサーヴァントを従え、世界征服とはな……」 「まさか、私の弟子からそんな馬鹿げた、懐かしい響きを聞くことになるとは」 「どうしても止められぬようならば、これを渡すことも考えたが、そうならずにすんだことに感謝すべきか」 フラットが勘違いで懸賞品のナイフを持ち帰った後に、物理的な鍵と魔術で厳重に施錠された戸棚から取り出した朽ち果てた布切れを見つめながら。 かつて「そんな馬鹿げた」夢を語る一人の男が、彼の人生を塗り替えていった。 「しかし、私が言えた義理ではないが、個人宛の荷物を他人に届けさせるというシステムも考えものだな。 別段重要なものでもなんでもないが」 自分宛のゲーム会社からの小包をフラットが勝手に透視して欲しがった件に関するコメントだが、確かに全くもって 「お前が言うな」である。 はからずも、「"ロード・エルメロイ"への届け物を横から頂いて聖杯戦争に飛び出す」という展開を師弟2代で見事に天丼してしまったことを、このときの彼はまだ知らなかった。 そうでなければエルメロイの名など痒くてとても耐えられない」 召喚科学部長ベルフェバンに「ロード・エルメロイ」と呼びかけられての第一声。 一つの台詞の中で、敢えてなのか失礼な物言いをやたらに重ねているが、言われた相手のベルフェバンはあっさりと流した。 なお、『TYPE-MOONエース』付録として先行発表された試し読み版では一人称は「俺」だったのだが、『Apocrypha』第1巻では上記のように修正されている。 この世界ではちょっとだけワイルドに成長した、という訳ではなかったようだ。 「そもそも神父が純朴かどうか決まった訳でもないだろう。 俺の知る限り、聖杯戦争に参加するような聖職者は誰も彼も信仰者かどうかすら怪しい、胡散臭い連中だ」 「純朴な神父であるが反旗を翻したのはに誑かされたためではないか」と発言したベルフェバンに。 不信感と嫌悪感アリアリで、かつて参加した亜種聖杯戦争で余程嫌な教会側の人物に出くわしたのだろうか。 あれ、でもまた「俺」……?気分によって変えているのだろうか。 「……分かった。 白状する。 理由は極めて私的なものだ。 ……かつて未熟だった頃の私を、友と呼んでくれた人物がいる。 そんな男を裏切れるほど、私は賢しい老人ではなかったという話だ」 大事にしまいこんでいる征服王の召喚触媒をなぜ聖杯大戦に提供しなかったのか、とライネスに問われ、幾つか建前を並べた後で仕方なく折れて漏らした本音。 「覚えておきたまえレディ。 友を売りとばすほど困窮するようなら、とっとと人生をやり直した方がいい」 「征服王の触媒を手放せばアーチボルト家の負債が一気に減るだろうに」と愚痴ったライネスに。 聖杯戦争を共に駆け抜けた友との思い出はいつまでも色褪せない。 自分がサーヴァントの勝手を許していることが魔術協会に知られたらと気が気でない獅子劫は不自然な強調部分に気付かずスルーしたが、確実に何かの点で同類扱いされていることを彼はまだ知らない。 誰かを助けても自分が救われるわけじゃないし、自分が助けたと思っても本当に相手が救われたかどうかなんてしれたものじゃない。 誤解で勘違いですれ違いで思い違いで、ひたすら滑稽なだけの繰り返しが、私たちが生きている世界だよ」 「それでも、私たちはその誤認の世界で生きている」 「誤認こそが我々だ。 誤解こそが我々の世界だ。 私たちが触れられるのは多種多様な事実であって、たったひとつの真実じゃない。 どれだけの賢者がどれだけの歳月を捧げても、そこに辿り着いたりはしない。 「お前は悪魔か」 絶対に逆らえない弱みを握った上でわざわざ厄介な仕事を持ち込んできた、可愛い義妹への負け惜しみコメント。 そのまま背負うには、私の肩には重すぎる名だ」 から「ロード・エルメロイ」と呼びかけられて。 『Apocrypha』1巻でのベルフェバンとのやり取りと同じような台詞なのだが相手に他意がないからか、もしくは親しくはないからか、随分と丁寧な仕様になっている。 「ケイネス師を殺したのは私じゃない。 とある 剣の英霊 セイバーとそのマスターだ。 私はケイネス師の死に様を見てもいない。 それだけだ、気の利いた物言いが出来なくてすまないな」 ルヴィアから「ケイネスが死んだときどう思ったか」と問われて。 実際、死に様どころか第四次聖杯戦争が大惨事のうちに幕を下ろした翌朝ですらケイネス一行の安否を把握していなかったわけなのだが。 かつては青臭い劣等感と敵愾心ばかりを抱いていた師への、その年齢を超えた今となってようやく認めることのできた尊敬と哀惜。 順序が逆になってしまったけれど、あなたの見る目は間違えてなかったのだと証明しなければならない」 「……生きろ、だとさ」 「見届けて、生き存えて、語り継げだと。 本当に我が儘で滅茶苦茶だろうが。 そもそもあいつのせいで死にかかったってのに、ギリギリでそんなものを押しつけてくるなというんだ。 それこそ一晩中文句を言っても言い足りないぞ、あの馬鹿」 「私は自分のしたいことも、自分のできることも分かっている」 「どうだ、幸せな人生だろう。 彼の魂に刻みつけられた唯一の王からの言葉は、数多くの魔術師たちをも毒牙に掛けた呪いすらも跳ね除けた。 「……そういう法政科的な考えは、私の好まないところだが」 義妹から子作りの提案を受けて盛大に噴き出した時の言葉。 魔術師ならば政略結婚は当たり前なのだが、一般人の価値観を持つ彼にとっては質の悪い冗談である。 そしてその、一般人の価値観を捨てきれない甘っちょろさを義妹はからかっている。 「一つだけ注意しておこうミスター」 「聖杯戦争を、なめない方がいい」 第五次聖杯戦争への協会参加枠を持っていったアトラム・ガリアスタへの忠告。 あまりに月並みな言い方であったせいか、その忠告は完全に空振りしてしまったが… 「君がいないと死ぬ」 自身が危険な地へと赴く際、グレイに向けて度々口にする台詞。 聞き手によってはまるで殺し文句の様だが、本人はこれを素で言っている。 二世はライネスや他の人物にも似た様な事をしている節があるので、イスカンダルの「天然の人たらし」の性質は彼にも受け継がれているのかもしれない。 「貴様は、貴様は! 毎度 毎度 才能にあかせて好き放題!」 「お前みたいな才能が あの頃の ボク ・・にあったら……っ!」 「ボクだってなァっ!」 アニメ版放送3話(通算4話目)。 お馴染み教室名物、の暴走によって、件の馬鹿生徒に奥義のアイアンクローが炸裂。 しかし、かねてよりの不遇により虫の居所が悪かった先生は思いっきり暴走し、素の感情が漏れ出ていた。 ちなみに最後の叫びは涙ながらの魂の叫びだったりする。 この先生が、かつての「彼」である事を如実に語る一場面。 ただ、ある意味では、彼が馬鹿弟子に対して何の腹蔵もなく本気でぶつかっている証左であり、ゆえに先生は馬鹿生徒から心より慕われているのだった。 とはいえ、直後に慌てて落ち着きを取り戻して授業を仕切りなおすものの、には心配されるわには呆れられるわと、けっこう散々だったりする。 細マッチョ風に描かれたアレキサンダーのデザインについての文句を、が訳した台詞。 まるで見てきたかのように言う彼に、氷室は当惑する。 もっとも後に出てきたの方は本当に美少年だったが…。 「君らは特殊なバカなのか?」 「英雄史大戦」のレクチャーを行った時の言葉を沙条綾香が訳したもの。 戦術やデッキ構築にばかり気を取られ、肝心のプレイングテクニックを軽視していた氷室達はグゥの音も出せなかった。 かく言うこの男にも、ベクトルこそ違えど思いっ切り該当するという事実が他の作品で判明したのは、どういうブラックユーモアなのだろうか…。 アーネンエルベの一日 [ ] 「なんというツンギレぶり、伝統芸能だな」 腹を空かせて入った喫茶店で、なぜかととの三人のうち誰が一番アイドルなのかを審査させられる羽目に。 そんな中、店長殺害容疑を揉み消す代償に新たな臨時店長となった和服少女の見せた、突っ慳貪極まりながらも渋々律儀に仕事をこなす様を評して。 そんな伝統芸能はありません。 「この国ではあれかな、腕力に物を言わせた恐喝をナンパというのかな? 君たち、知り合いならこの女性を引き取ってもらえないか?」 「そうしたいのは山々なんだが、君、以前どこかで会ったことはないか? 妙にこう、嫌な汗が湧いてくるんだが……」 五次のライダーにロックオンされ、蛇に睨まれたカエル状態に。 グラマラスな美人に密着して迫られてはいるがちっとも羨ましくない。 「あれ……? ねえ、無視された? もしかして、今、ボク、無視された?」 臨時ウェイトレスのにまるっと無視されたショックのあまり、モノローグが年齢退行を起こす。 だが、そのサンドイッチは地獄への片道切符なので、見えなくなっているのは隣の人の親切心である。 「だいたい、君は何だ? さっきからでかい図体で隣に座って! 壁か!? 書き割りか!? スタチューか!? 退いてくれないとトイレにも行けないじゃないか!」 「というか、さっきからなぜ君の注文が私の伝票に入っている? 美人だからといって気安く奢るほど、わたしは安い男では……」 「う……うん? 何だ? 何だこのデジャ・ヴュ!? 君……い、いや、ご婦人、やはり、以前どこかでお会いしたことが!?」 全然来ない自分の注文と、勝手に伝票に追加されていくライダーの注文に、流石に一瞬キレるも、地雷を踏まれて凄む彼女の迫力に負けてあっという間に尻尾を巻く。 ところで、この時点で第四次聖杯戦争から何年後の彼なのかは定かではないが、未だ170cmを下回っているのだろうか? 「私が知るか。 だがまあ、スーパーツンデレ大戦があったら間違いなくラスボスだな」 ヒロイン談義が明後日の方向へ行きっ放しの隣のテーブルから「最近流行りのツンデレヒロイン」としての判定を求められた際の、魔術師としてもイギリス人としてもちょっとどうなのか……な返答。 「ん? ああ、君たちの中で誰が一番魅力的か、という話か。 さて、一日同席した程度の私には判らない話だが、君たちは三人で談笑していた時が、最も輝いていたように思うがね」 「それでは少し禍根を残す感想を。 強いて言うなら、アルクェイド・ブリュンスタッドは淑女らしさを、セイバー嬢は自由奔放さを、 両儀くんは素直さを付け足せば、文句の無いアイドルではないかと。 これはまあ、お世辞ではなく、正直なボクの意見だぜ」 今日一日、無理矢理押し付けられたパリスの審判をなんとか無難に乗り切ってオチを付け、三大ヒロインとついでににも感心される。 「ああ君、領収書を頼む。 『魔術教会・秋葉原支部 会議費代』で」 それはそれとして、ゴルゴン三姉妹に好き放題飲食されたお会計がすごいことになっていたのでカードで支払い、なおかつ経費で落とす大人の裏技に訴える。 ハイテクとは相容れない魔術協会が秋葉原に支部を置いて何をやっているのか、あんな金額が本当に会議費で通るのか、短いセリフの中にツッコミどころが満載だが誰も指摘する者はいない。 負傷者は14名 被害総額は概算で… にっ…200万£ほどかと……」 無印の番外編1『彼女たちの事情』より、への弟子入りを巡ってとがぶつかり合った挙句の損害報告書を青筋立てつつ読み上げるセリフ。 小説版によると、この世界でも彼は遠坂凛の後見人を引き受けている模様なので、そりゃ眉間のシワも深まろうというもの。 場所が場所なのでまともに業者を呼べないことを考えると、復旧には相当に手間がかかったことであろう。 『言ってみればマップ兵器だな。 同じフィールドに存在しているだけで危険な手合いだ』 小説版の1巻にて、のクラスカードを攻略中の凛が回想した時計塔での一場面。 魔術師が魔術師に魔術師のカードのことを説明しているというのにスパロボのボスユニットの話か何かに聞こえるというこの不条理感。 その他 [ ] 「よ よかったらそのTシャツ 私にくれないだろうか…」 ウェイバー「誰!!?」 「なんだったら言い値で買おうじゃないか ど どうだ?」 『ちびちゅき!』11時限目にて。 身体測定の持久走でヘロヘロになっていたウェイバーに、ライダーは「余のように屈強な男になれるよう」着ていた大戦略Tシャツを渡し去って行く。 余計なお世話に憤っていたら、突然現れた不審者から筋肉男の脱ぎたてTシャツ買い取り交渉が。 まあ将来の貴方なんですけどね! ちなみに、同話が収録されているちびちゅき第二巻のカバー画には……… どうやら本当に買い取っちゃったらしい。 「理解に苦しむな。 せっかく厄介な闘いから生き延びたと言うのに君は何の為に時計塔に来た。 そして士郎の「正義の味方になりたい」という決意に「バカげた話だが笑い話ではない。 正義の味方か…たしかにこの場所は狭かろう」と呟いている。 メモ [ ]• イスカンダルとの絆は本物で、大きく歴史が変わった平行世界でもその関係は変わらない。 ライネスに征服王の触媒を聖杯大戦に出さなかった理由を問われて返した答えは、「触媒の選定を任されたへの配慮」と「十四騎のサーヴァントが二つのチームに分かれて競い合うという、イスカンダルの趣旨にこれ以上ないほど合った形式の聖杯戦争で、テンションが最高潮となった征服王がそのまま世界征服を成し遂げてしまう危険性」。 だがこれらはあくまで表向きの物で、ライネスにもすぐに見破られており、本当の理由は極めて私的な物。 世界各地で聖杯戦争が行われるようになった今の状況で、イスカンダルの触媒を所持していることがが周囲に知れ渡ってしまった場合、魔術師達はこぞってその触媒を手にしようとするだろう。 そして触媒は「強いサーヴァント」を求める魔術師達の手から手へと渡り続け、英霊への敬意など何もない唯の「道具」として聖杯戦争が開催されるたびに利用され、使い捨てられる。 そんな暗い未来を防ぐためであった。 現在、イスカンダルの触媒の価値は世界的な聖遺物の散逸によって暴騰しており、何とアーチボルト家の負債を状況次第では7割返済する事が可能な額との事。 『Character material』で「どの話であろうと、舞台がロンドンよりになるとちょこっと顔を出す」と書かれていた通り、時計塔が登場する作品のほとんどに出演している。 魔術協会の中枢に属しながらも、出自と能力の低さゆえに庶民的かつ一般人寄りの感性を持っているキャラクターが説明係として便利だからという説もあるが。 実は彼(及びケイネス)の物語において 「冬木の第四次聖杯戦争」でなければならない要素は殆ど無い。 とはいえ、上記の条件を満たすためには、どのような形にせよ必ず「イスカンダルの触媒が手違いでウェイバーの手に渡り」、「ケイネスがその実力にも拘らず敗退 死亡 し」、「ウェイバーはイスカンダルに振り回されながらも友情を育み、最終的に彼が敗北する様な聖杯戦争から生還する」というレアカードが揃わないといけないため、この件に関する世界の意向はかなり強固である。 そして主にケイネスにとって理不尽である。 経緯は不明だがなんと聖杯戦争がない魔法使いの夜、月姫系の世界ですら存在することが示唆されている。 魔法使いの夜、月姫寄りの世界である「2015年の時計塔」 にて、「エルメロイは没落した と橙子が回想している 」「新生代最大の出世頭と言われるエルメロイ二世が現代魔術の学部長に納まった」という描写が存在するためである。 実はCVの浪川大輔氏が演じたのはではなくこちらが先である。 因みに、彼が作中で来日した理由についてははっきりと語られてはいないが、「八月中旬」、「セールスじみた雑務」、「始まってしまえば三日ほどで終わる」というワードから考えると、 某臨海副都心で行われる某大規模イベントへの参加と思われる(しかも出展側)。 個人としての参加なのか、時計塔を代表してのものなのか、興味の尽きない所である。 『事件簿』1巻にて宿泊した部屋の名前は「Mihael」。 守護天使占いでは真っ先に「結婚の天使」と出るが、同時に「世代・性別を超えた強い絆」を意味する。 「危険・対立の予知による防止」「豊穣、生産性の指揮天使」「人助けの父」といった特性を持つ天使。 余談だが、この天使に守護されている人の適職は保育士、児童相談員、教員など、子供に愛情を注ぐ仕事。 刻印の形は「純然たる四角」。 ウェイバーの家系には魔術師の歴史がないため「器」だけとなっている。 本来ならウェイバーがこれから埋めていく器であり、彼とその子孫にしか埋められない器とのこと。 話題まとめ [ ] 脚注 [ ] 注釈 [ ].

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トリムマウ

ライネス エルメロイ

エルメロイの分家筋において底辺に近い家系の出身で、エルメロイ派の先代当主・ ケイネスの姪に当たる人物です。 第四次聖杯戦争でケイネスが敗死しエルメロイ家が没落の危機に瀕した際、上位の家系が離反の意を示したこと、残った家系の子弟たちの中で魔術源流刻印との適合率が最も高かったことにより、 次期当主候補に担ぎ上げられました。 年齢は15歳ほどと次期当主としてはかなり若く、外見も年齢相応。 磁気人形(ビスクドール)を思わせる白い肌と美しい金髪、強い意志のこもった焔色の瞳を持つ美少女です。 容姿は極めて女性的ですが、喋り方は中性的で、一定以上の付き合いをしている相手に対しては軽薄な物言いをすることもしばしばあります。 財産は離反した分家によって大半が持ち出されてしまい、魔術刻印も破損したため、とてつもない額の負債と魔術礼装「月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)」くらいしか残っていなかったエルメロイ家および自身の状況を改善すべく、先代ケイネスの子弟で彼の死に負い目を持っている ウェイバー・ベルベットに目を付け、彼に 「ロード・エルメロイII世」の名と 義兄の立場を与えることでエルメロイ家に縛り付けつつ、都合良く利用しています。 魔力感知できる魔眼の所有者で、その副作用によって魔力の存在する場所にいると瞳の色が焔色へと変化する体質になっていますが、通常時は鮮やかな碧眼です。 当主に相応しい魔力回路は持っているものの、エルメロイII世によって「エルメロイの秘術を受け継ぐためには最適」という理由で使用魔術は研究用に配分・調整されています。 よって戦闘用の魔術はほとんど使えません。 幼少期から性格の悪さを自認するほどの歪んだ一面を持っており、真面目な人間が苦しむ姿を見ると口元が綻んでしまう真性のドS令嬢と言われています。 その性格を正す気もなく、友達付き合いも全くしてこなかったため、気を許せる相手は1人もいなかったようです。 担当声優は 水瀬いのり(みなせ いのり)。 生い立ちが性格に反映 ライネスが 生粋のドSであることは、作中の至る所から窺い知ることができます。 その中でもやはり一番に彼女のサディストな部分が露見しているのは、 エルメロイII世との契約でしょう。 エルメロイII世は先代のケイネスの死に責任を感じており、少なからずエルメロイ家への懺悔の気持ちはありました。 それを利用する形で、彼を期間限定の当主とし、矢面に立たせ利用する。 ここまではSっ気とは関係なく、策略家としての一面が色濃く出た奸智と言えます。 しかし、その 契約内容は決して策略だけに留まりません。 ライネスがウェイバーに対し「エルメロイII世」となる上で交わした契約の主な内容は以下の通りです。 ハリウッド超大作が作れるほどの額となったエルメロイ派の負債を完済する 2. エルメロイの魔術源流刻印を修復する 3. ライネスが成人するまでの間、君主の代理としてエルメロイを守り抜く 4. エルメロイの家に入ってライネスの義兄となり、家庭教師として自分に魔術を教える まず1に関してですが、 完全に不可能です。 個人の魔術師がどうこうできる額ではありません。 そしてライネスも、それが可能か不可能かを判断できないほど愚かであるはずもなく、「理想を言えば完済だけど現実には無理だから、可能な限りで構わないので負債を減らして欲しい」というのが彼女の本音です。 2についても、 ほぼ不可能。 エルメロイの源流刻印を回収できたのは、 たったの一割程度。 お抱えの調律師では修復までに 最低三世代以上はかかるという難題で、これに関しては直接ウェイバーにも伝えています。 この無理難題をウェイバーに吹っかけたのは、「まず最大限の要求をして、そこから少しずつ水準を下げ、出来るだけ高いところに落としどころを持っていく」という交渉の基本によるものと思われます。 最初に極めて困難なことを聞いたら、その後に聞くそこそこ困難なことが相対的にマシに思えてついついOKしてしまう……という人間の心理を突いた、詐欺師がよく使う手口ですね。 けれどこれも、最初の「極めて困難なこと」の度合いによっては効果が得られないのが常。 あまりにも途方もない要求は、却って相手に警戒心を与えるだけになってしまいます。 ライネスの1と2はまさにそのレベルの要求ですが、これは彼女が交渉下手なのではなく、 真面目な人間が苦しむ姿を見ることに愉悦を感じるというドSな性格が反映された結果の無茶振りであり、吹っかけだったのでしょう。 しかし、お人好しなウェイバーはその無茶な要求を馬鹿正直に呑みます。 そんな彼にさすがのライネスも戸惑っていましたが、彼女が本命と目していたのは3と4。 没落したエルメロイに向けられる蔑み、悪意、面倒事といった負荷が彼の方に行くようにしておいて、自分は成人するまでに当主として耐え得るだけの力や人脈を蓄えようと考えていたのでしょう。 そして契約成立後は、度々エルメロイII世を訪ねては厄介事を彼に押しつけ、義兄の胃が痛む姿を愉快そうに眺めています。 まさにドS。 とはいえ、彼女のそんな人格を育んだのは環境です。 陰謀と策略が渦巻く時計塔において生き残っていくための処世術として、他者を蹴落とすことに躊躇なく、また他者から蹴落とされる隙を与えないために最適化された末の性格としてドS属性が身に付いたようです。

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司馬懿〔ライネス〕

ライネス エルメロイ

「すまなかった」 「ライネスぅ~」 「怖かったよね」 モモゼお姉様を抱きしめて頭と背中を撫でながら、あちらを確認する。 覚醒したキルア君は即座にやってきたイルミ君によって操作され、事無きを得た。 こちらが操作しても良かったが、彼にはすでに針が埋め込まれているようだし、手を出せない。 いざという時は引き抜いてから私が操作するつもりではあったが、それをやれば関係は致命的になりうる可能性が多分にあるからね。 「そちらも無事なようで何よりだ」 「そっちも大丈夫みたいね」 「ああ、こちらは元々覚醒させていたからね」 殺気と共に針を飛ばそうとしてくるが、それはすでにトリムマウが取り押さえた。 首に剣に変えた両手をあてて、動けば殺すと伝えている。 私はモモゼお姉様を慰めながら、キルア君とキキョウ・ゾルディックの二人と話すとしよう。 「さて、まずキルア君。 悪かった。 お姉様を起こすのにはどうしても必要な事だったのでね。 悪い魔女に呪いをかけられていたんだ」 悪い魔女とはもちろん、私の事だがね。 私は自分が善良な存在なんてとてもじゃないが言えない。 魔術師なのだから当然ともいえるが。 「そ、そうよ。 ごめんなさいキルア。 これも必要な事だったの」 キキョウ・ゾルディックも乗ってきたな。 さて、お姉様にもしっかりと説明しておこう。 「お姉様、お姉様はピクニックに行った日から気を失っていたんだ。 起こす方法を調べていたが、その方法が判明した。 それが運命の相手に口付けしてもらう事だったんだよ」 「「え?」」 キルア君とモモゼお姉様、それに他の人も驚いているが、このまま騙してしまう。 肝心な所は二人の知らないところで話し合いをすればいいだけだ。 今はこの二人の関係が壊れず、順調に進むように誘導する。 「私の配下に百発百中の占いをする子が居てね。 その子に占ってもらって複数ある候補から、お姉様に相応しい相手を選別した。 もちろん、これはお父様の許可もいただいている」 「それって、私は王位継承から外れるって事……?」 「まあ、結婚した時の形態にもよるだろうね。 婿入りならば継承権は残るだろうが、ゾルディック家との契約では嫁入りだ」 「それって、ライネスは私が王になる事を無理だというの?」 お姉様が顔を上げて涙目で睨んで来る。 可愛らしくて虐めたくなる。 よし、虐めよう。 「そうだよ、お姉様。 そもそもお姉様は私に勝てると思っているのかな?」 「無理!」 「即答か」 「だって、ライネスには勝てないもの。 私はライネスに何一つとして勝った事はないんだよ?」 年齢の差もあるから仕方が無い事だが、お姉様から見たら妹が優秀過ぎたのか。 まだ理解できる範囲で近ければ嫉妬したかもしれないが、私とお姉様では隔絶した差が生まれている。 追い付く事は普通なら不可能だ。 「まあ、そうだね」 「でも、わからないからちゃんと説明して欲しい。 こういうことは嫌だよ……」 「ああ、それはもうしないさ。 それと先程言った事だけど、お父様が認めたという事は事実で、婚約は正式に成立した。 後はお姉様が成人したら結婚してホイコーロから籍を抜いてもらう」 「婚約はどうしてなの?」 「お父様は私達兄弟姉妹で殺し合いをさせるつもりだ。 これは我が家が代々行ってきた儀式で、お父様も経験なされているから確実だ。 だから、私にとって大事なお姉様を婚姻という形を取って逃がさせてもらうことにした」 「……私が近くにいたら邪魔なんだね?」 「今のお姉様では邪魔かな。 私の力で守り切れない」 「わかりたくないけれど……私わかった……邪魔したくないから……」 「お姉様、私を手伝いたいのなら、力をつける事だよ。 幸い、ここは力を蓄えるには持って来いの環境だ。 それに婚約者である彼もいるしね」 「あの子が……?」 「切磋琢磨する相手は大事だよ。 それに私達の血筋に相応しい相手だ。 悪いけれど、これはお父様も決められた事だから、相手は変えられない」 「キルアが不足だとでも?」 「まさか。 素晴らしい相手だと思っているよ。 だからこそ、お姉様の相手に選んだのだから。 それに幼い頃に会ったのだから、互いに話し合って悪い所を直し合っていけばいい関係を築けるだろうさ。 「お前も苦労してそうだな」 「あなたも……」 「ああ、それとキルア君もお姉様を娶るメリットはある」 「なんだよ?」 「私が力を上げるし、金銭的にも支援してあげよう。 例えば、そこに居る怖いお兄さんを圧倒する力とか、興味ないかい?」 「ある! 無茶苦茶ある!」 「両親を超える力も手に入るかもしれない」 「まじか!」 「私は現時点で一時的とはいえ、ゾルディック家に勝利したから、証明は十分だろう?」 「おお、本当なのか?」 「この婚姻は勝利した時の条件だ。 勝負に持ち込んだ対価はこの国もろともゾルディック家を皆殺しにしないことだ」 「ちょ、お前……母さん、事実なの?」 「そうみたいね。 業腹だけど、私達が人質に取られ、それでも依頼を遂行しようとしたらしいわ。 そこで彼女が持ち掛けた勝負に乗り、シルバ達が負けたの」 「どうやったんだよ?」 「これから教える力についてだから、まだ詳しくは教えない。 交渉に持ち込んだ方法は簡単だ。 とても強力な爆弾をこの辺りに仕込ませ手勢に爆発させるだけの簡単な仕事さ」 「わかった。 お前がやばい奴だってことは理解した」 「か弱い幼女の自衛手段だよ。 暗殺者一家に狙われたら死ぬのは間違いないからね。 報復する準備は整えておかないとね?」 「ライネスがか弱い……?」 「何か言ったかな、お姉様?」 「ナンデモナイ」 身体強化して、お姉様を抱き上げてキルア君の横に運んで座らせる。 すると二人は至近距離で見つめ合った後、すぐに目を逸らした。 頬はほんのりと赤くなっているので、キス作戦は意識させるのには成功したようだ。 「初々しいキルアも可愛いわね」 「うむ。 だが、ほんのりと照れているお姉様も……」 そう言うと二人に睨まれたので、大人しく出ていこう。 「さて、後は若い二人に任せて私達は外に出ませんか?」 「でも……」 「話し合わないといけない内容がありますからね。 護衛は外に待機させておけばいいでしょう」 キルア君の育成について相談があると、オーラで文字を作って見せれば、凝を使っている彼女は納得してくれたようだ。 「それもそうね。 イルミ、操作だけはしっかりとしておきなさい」 「わかったよ、母さん」 「ああ、トリム。 君も残ってお姉様の護衛を頼む」 「かしこまりました」 私の護衛はジャックと月霊髄液で十分だ。 イルミ君も沢山の汗を流しながら楽しそうに駆け回っている。 「それで、あの子にも着物を着せていいと思うのよ」 「確かに似合いそうだ。 私はそういう事に疎いから、全部そちらに任せるよ」 「あら、それじゃあ貴女も一緒に選びましょうか」 「え!? そ、それは遠慮したいのだが……」 「駄目よ」 「ま、まあ、じ、時間があればね」 「あら、時間は作る物よ」 「あ、はい」 駄目だ。 逃げられそうにない。 正直、女性の服を着るのは違和感がある。 ライネスが着ているような服ならロールプレイの一環として何ら問題はないのだがね。 下着とか、見えない部分はやはり抵抗がある。 「さて、ついたわね。 入るわよ」 「うむ。 開いている」 「ええ」 扉の中には既にシルバやゼノ・ゾルディック達が座って待っていた。 マハ・ゾルディックは我関せずのようで、こちらに干渉するつもりはないようだ。 「さて、キルアが念能力に覚醒したようだな」 「ごめんなさい」 「すまない」 まず、座ってから二人でしっかりと謝る。 これに関しては私達が悪乗りした結果だしね。 「まあ、覚醒しちまったもんは仕方ないわい。 それよりもこれからどうするかじゃ」 「そうだな。 親父の言う通り、育成計画がかなりずれた。 その責任は取ってもらうぞ」 「わかってるよ。 こちらは元々、お姉様を鍛えるつもりだったんだ。 一緒に面倒を見ようじゃないか」 「キルアの育成について、私もしっかりと参加させてもらいますからね」 「むしろ、この四人でお姉様も含めて話し合おうじゃないか。 掛かる施設や物資などの資金は全てこちらで用意するし、教材も準備できている」 「まあ、それが一番無難じゃの」 「ああ。 これが元々キルアを育成する計画だ」 「拝見する」 キルア君の育成について渡された書類を見て確認していくと、なんというか厳しすぎる。 逃げだしたくなるのもわかるね。 鞭ばかりで飴がほぼない。 「訓練にゲームや遊びを入れるとして、ご褒美を入れた方がいいね。 自分から頑張るように誘導した方が成長しやすいし」 「そうじゃが、どうするんじゃ?」 「遊園地とかに連れていったらいいんじゃないかな。 防衛の観点から買い取って運営し、こちらが必要な時に貸切るか。 普段は一般客に開放すれば資金調達もできるし、珍しい生物の研究と展示をすれば喜んでもらえるだろう」 「その辺は任せる。 俺にはわからん」 「私も男の子の事はあまり……」 「まあ、そっちは任せてくれたらいい。 逆に戦闘技術に関しては私はよくわからないから、そちらに任せる。 互いに得意分野を持ちよって教育しようじゃないか」 「うむ。 それでキルアの能力についてだ」 「そちらが想定していたのはなにかな? この計画書からして電撃に関する事だろうが……」 「その通りだ。 素早く移動し、敵の命を刈り取る。 だが、計画の変更によってキルア本人の意思が重要になる」 「それは任せてくれないか。 私に考えがある。 少しミルキ君を借りるが、キルア君が電撃に興味あるように誘導してみせよう」 「どうするんだ?」 「何、アニメとゲームを一本ずつ作るだけだ」 ちょっと多額の金を投資して、雷系の主人公が活躍する話を作る。 それに敵として針使いとかも出せばベストだ。 利益など必要ない。 最新技術と念の技術をふんだんに使ったアニメとゲームだ。 それにキルア君をプロファイリングして、彼の好みそうな要素を突っ込みまくってやる。 「こんなので誘導できるのかしら?」 「間違いなくできる」 「では、それが完成するまでは基礎訓練でいいな」 「ああ、基礎はとても大事だ。 私も未だに続けているしね」 「まだまだ幼いじゃろ」 「まあね」 詳細を詰めていこう。 ちなみにキルア君とお姉様だけでは可哀想だから、他の皆も同じ訓練をさせる。 オーラが足りなければ私が供給してやればいいだけだから、なんの問題もない。 自前のオーラを限界まで使い尽し、私のオーラで身体を維持して訓練を続けさせる。 操作能力はとても上がるだろうし、私のオーラに刺激されて容量も増えるかもしれない。 とっても楽しみだ。 ああ、本当にスクワラ君、早く犬の魔改造をしてくれないかな。 モフモフしたいぞ。 俺はキルア・ゾルディック。 よろしくな」 「モモゼ・ホイコーロよ。 よろしく」 とりあえず、自己紹介は終わった。 キスの事は謝った方がいいのだろうか? でも、俺が悪いわけでもないし…… 「ごめんなさい。 その、ぶってしまって……私を起こしてくれるためだったのに……」 「あ~いや、俺も悪かった。 言われた通りにしただけなんだ。 だから、その……な?」 先に謝られて、泣き出したので慌てる。 「それに婚約者なんて親が言っているだけだし、気にするなよ」 「わ、わたしの初めてを取ったのに、責任を取ってくれないの……?」 「そ、それは……」 「……もう、死ぬしか……」 「なんでそうなるんだよ!」 「婚約者として相手の所に滞在して、身体の接触を終えたのよ? このまま戻されたら、出戻りと言われて……」 詳しい話を聞いていくと、お姫様として色々と仕来りとかがあるみたいだ。 このまま連れ戻されると、殺されるか、数十歳は年の離れたおっさんとかに嫁がされて、酷い事をされるらしい。 よくわからなかったが、何が嫌なのか聞いたら、自分の母親と裸で一緒に寝たり、風呂に入ったり、四六時中一緒にいたりしないといけないらしい。 それは凄く嫌だ。 母親以外にも色々と説明されたらマジで嫌だった。 「悪かった。 俺が悪かった。 最悪だな」 「だから、捨てないで……」 縋り付いて泣いてくるモモゼに悪い気はしない。 俺が面倒をみてやればいいだけだしな。 こいつも出来過ぎる妹を持って凄く苦労しているらしい。 俺の場合はくそ兄貴や親の期待だけど。 逆にこいつとあのライネスっていう妹は母親から見捨てられているらしい。 羨ましいとは思うが、周りが敵だらけの所らしいので、俺よりもひどい状況だと思う。 「捨てないから泣き止めって。 泣かれると困るんだ」 「わ、わかったわ」 「それでいい」 少し離れると、さっきまでモモゼを抱きしめている部分が温かくて、少し濡れている。 それに良い匂いもして、ドキドキしてきた。 「で、これからどうしたらいいんだ?」 「わからないの」 「では、僭越ながら私がお教えします」 「トリム、だったかしら」 「はい。 このお見合い項目をどうぞ」 「えっと、ご趣味は……? 私は編み物やぬいぐるみを作る事です」 「俺は……なんだろ? お菓子を食べる事か?」 それから、お見合いとかいうのに必要な項目について互いに話し合い、嫌いな事や止めて欲しい事。 逆に好きな事ややって欲しい事とかを話していった。 それでわかったのだが、アルカみたいに接すればいいのかもしれない。 アルカと同じく、モモゼは本当に弱いから、俺が守ってやらないと駄目だろう。 半年ほどが経った。 モモゼと一緒に過ごしながら親父から教えられた念とかいうのについて修行する。 ちなみにくそ兄貴はライネスに喧嘩を売って俺達の教材代わりによくボコられていた。 ジャックという子供と親父や爺ちゃん達。 それにライネスも戦っていたりするので、ライネスの強さがやばいという事はだんだんと理解しだした。 いや、アイツの場合はトリムってのがやばい。 トリムを攻略すればライネスはくそ弱かった。 多分、俺でも勝てそうだ。 本人もトリムがやられたら負けると言っていたので事実だろう。 モモゼの方が寝ている間に修行させられていたらしくて感じる力は大きくて嫉妬するが、それ以外は順調に仲良くなっていると思う。 「ずるいよな。 寝ている間も修行できるなんて……」 「ライネスに聞いてみればいいんじゃないかしら?」 「ライネスか……アイツ、こっちにあんまり居ないんだよな」 「ライネスなら、こっちに居るわよ」 「わかるのか?」 「双子だから、なんとなく?」 「そんなもんか」 モモゼが案内していった先に、爺ちゃんと二人で赤い傘をさして庭に敷かれた畳とかいうのの上で座ってお茶を飲んでいる姿があった。 二人共、着物を着ていて、お菓子を食べている。 「ずるいぞ!」 「お、キルアにモモゼか。 丁度ええわ。 お前達も座るといいぞ」 「ふむ。 二人か。 お菓子は充分だが、飲み物は子供が飲めるような物ではないな。 ジュースを持ってこさせよう」 「いや、俺だって飲める! なめんな!」 「いいだろう。 モモゼお姉様はどうする? お勧めはジュースだが……」 「キルアと同じで挑戦してみるから、お願いできる?」 「わかった。 二人の挑戦に敬意を表して入れてあげよう」 「やれやれ。 じゃあ、作法を教えてやるわい」 爺ちゃんに教えてもらいながら、正座というのをしながら待つ。 拷問の訓練でやった事があるから平気だ。 逆にモモゼは辛そうだ。 観察していると、ライネスが正座しながら変な形の大きなコップっぽい物に緑の粉を入れてお湯を入れてからシャカシャカとかき混ぜていく。 爺ちゃん曰く、回して互いに飲んでいくようだ。 飲んでみると無茶苦茶苦い。 でも、ああ言った手前、ここで諦めたらかっこ悪い。 「菓子を一緒に食べると苦味が減るぞ。 そのためにかなり甘く作られとるしの」 「そうなんですね」 「うむ。 ほら、食べるとええ」 「はい」 「わかった」 二人でお菓子を食べると、確かに甘くて不思議な感じがした。 わざわざ苦い思いをして甘い物を食べるなんて不思議だ。 「ところで修行は順調かな?」 「ああ、それなんだけどモモゼだけずるいんだ!」 「ずるい? 何かしたのかの?」 「ライネスがしているというか……」 「ああ、もしかして寝ている間に自動で訓練してくれるアレか」 「そんなのがあるのか。 便利じゃな」 「操作系能力で無理矢理操っているだけさ。 寄生型の念だと思ってくれ。 だから、キルア君には使えない」 「なんでだよ!」 「それにはシルバお義父さん達の許可がいるからだよ。 それに聞いたかも知れないが、操作系能力はすでに操作されている場合は受け付けないんだ」 「それってもしかして、俺って……」 「イルミ君の仕業だよ」 「あのくそ兄貴!」 「ライネス、どうにかできないの?」 「それに関してはあくまでもゾルディック家の事だしね。 私はあまり関与できない。 お姉様についてはさせてもらうが、その辺はどうかな?」 「シルバに相談するしかないの。 キルアを殺さんための安全装置じゃし」 「ちっ」 まあ、親父を説得すればいいだけだな。 それに疑問に思った事についても色々と聞いてみるか。 ライネスに質問していくと、色々と教えてくれた。 「私は今、君がイルミ君を圧倒して倒せるように育成計画を進行している。 だから、基礎訓練をしっかりとして欲しい」 「本当に俺が兄貴を倒せるのか?」 「ああ、むしろ私の想定通りに行くと相手にすらならんよ」 「まじか!」 「マジだ。 丁度いい。 完成した物を見せてあげるよ」 「なんだ?」 「ライネス、私には?」 「お姉様の分もちゃんとあるよ。 私の個人資産から数億だして作らせたからね」 そう言って、どこかに連絡するライネス。 少しすると執事の奴が大きなテレビを持ってきた。 デッキもセットだ。 そして、カルトも来た。 「なんで兄さんたちがいるの?」 「それはこっちの台詞だ」 「ボクはライネスに呼ばれたの」 「うむ。 カルト君は和服を着ているからね。 こういう催しはいいと思うんだ。 それに彼女にとっても今から見せるのはためになるからね」 「なんでカルトは特別なんだよ」 「義妹だからだよ。 何か問題があるかな?」 「あ~」 「ライネス……」 「なんで私の方が後に生まれてきたんだ……そうしたら、ジャックのようにかわいがるのに」 「いや、あれは遠慮したいよ」 「まあいいか。 それより、今から見せる映像はこれから能力を開発するのに勉強になる」 そう言って、渡された眼鏡をつけて見せられたのはアニメだった。 もう一度言う。 アニメだった。 登場人物は雷使いと人形使い、紙使いが邪悪な針使いを倒すというストーリーで立体的なアクションシーン。 派手なエフェクト。 雷を身に纏った奴が針使いの攻撃を避けたり、飛んできた針を電磁波で止めて跳ね返したりと、やりたい放題だ。 人形使いは様々な特殊能力を持つ人形を操り、戦うタイプみたいだ。 こっちも結構強いけど、速さが圧倒的に雷使いの方が高いので勝てるようだ。 紙使いは色々とえげつない戦法とかが多かった。 紙を折り紙にして飛ばすのは普通で、その折り紙が爆発したり、発火したり、凍ったり、紙で巨人を作ったり、攻防一体の便利さだった。 逃げる時も紙吹雪でかく乱し、大きな鶴にのって逃げるなど本当にすごかった。 「どうかな。 これが私なりにキルア君がイルミ君を攻略する方法として考えてみた」 「なるほど。 確かに針を防ぐか回避すればいいわけだ」 「当たらなければどうということはないのだ」 「当たりそうになったところで、電磁波で撃ち落とすと。 確かに考えられとるが、これはちと難しくないかの?」 「イメージしきれないだろう。 だから、ゲームも作ってみた。 VR用対戦格闘ゲームだ。 オンラインで多種多様なプレイヤーと対戦できる……といいたいが、流石にそれは無理だ。 これは念能力者専用ゲームだからね。 しかも自分の念能力を登録しないとできない。 私の配下達や執事達の訓練ツールとして開発した。 だから、ゼノお爺ちゃんも登録して欲しい」 「よかろう。 孫のためじゃしの」 「三人は一応、こちらで能力を考えてみたので試してみて使い勝手が悪ければこちらのツールで改造及び修正してくれ。 君達のメモリよりは少なくしてあるから大丈夫だとは思う」 「では、キルア君。 質問だ。 君は直流と交流、どちらが好きだね?」 「何言ってんだ?」 「いや、これからビリビリ訓練が始まるからね」 ライネスに説明された内容は単純だった。 念を電気に変えるためには電流を浴び続けないといけない。 そんなわけで小型のビリビリ君なる装置を開発してきてくれたらしい。 持っているだけでバッテリーから大量の電気を流し続けてくれるという優れ物。 本当は体内に小型の炉心を搭載するのがいいらしいが、そこまで小型化には成功していないようだ。 話を聞いて思ったのは、ライネスはガチでやばい奴だ。 「ちなみに自分の身体で試してみたがすご~く痛くていっぱい泣いた。 電磁加速砲はロマンなので、諦めはしないが……私の柔肌が大変な事になっているよ。 やれやれ」 「解決法はないのかの?」 「個人で完結しなければあるよ。 要は電力を生み出す装置があればいいんだ。 なら答えは簡単だ。 お姉様の人形に搭載して、キルア君が溜めた電力が無くなればそこから補充すればいい。 いざという時は装置ごと人形を自爆させれば特攻兵器としても使えるから一石二鳥だね」 「ら、ライネスぅ~」 「ああ、泣かないでくれお姉様。 お姉様の大切なぬいぐるみだと理解はしているが、お姉様やキルア君の安全の為ならば使い捨てるべきものだ。 そうすればまた作り直せるからね。 でも、お姉様やキルア君は死んだら戻らない。 それをしっかりと覚えてくれ」 「う、うん……」 モモゼはぬいぐるみを作るのが趣味との事でもらった。 俺とモモゼが手を繋いで中心にいるもので、俺達の隣にはカルトとライネスがいて、後ろには親父達がいる。 ちなみに俺や親父達にはそれぞれ小さいぬいぐるみのキーホルダーと大きいぬいぐるみが贈られていて、母さんは喜んでいたけど親父達は扱いに困っていた。 くそ兄貴はモモゼの前で捨てやがったけど。 ブタ君はなんともいえない表情だったが、フィギュアと一緒に置かれているのが前に訪ねた時に見えた。 モモゼは特に気にせずにブタ君とも付き合っているし、ライネスに至っては何故か意気投合しているからな。 たまに言い合ったりもしているけど。 ちなみにアルカの事を話して、アルカのぬいぐるみを作ってもらったりもしている。 「ミルキ君に作らせた電子回路と動力炉を搭載し、ミサイルとか積み込んだら面白いと思うのだが……」 「それもうぬいぐるみじゃないだろ!」 「ライネス……怒るよ?」 「……戦闘用にいくつかは作ってくれ、素材は提供するからさ。 モモゼお姉様達を護衛する戦力は必要だから。 イルミ君に狙われる可能性もあるからね。 もし、それでお姉様が死んだら、ゾルディック家と戦争になるからね。 ホイコーロとしても、妹としても、手段や犠牲を厭わずに報復する事になってしまう」 「わかった。 ライネスが私の為に色々と考えてくれているのも理解しているから、頑張ってみる」 「お願いする。 さて、カルト君はどうだね?」 「うん、凄い。 これ為になる」 「他にもこんな物がある。 ザ・ペーパーと言ってね……」 ライネスがカルトに世話を焼いている。 それを少し嫉妬したような視線で見ているモモゼ。 そこまで思われているライネスに俺は……いや、何を考えている。 それよりも今はくそ兄貴を叩き潰す方法を身に付ける事が先決だ。 それからしばらくして、俺は無事に電撃を覚える事ができたし、モモゼもぬいぐるみを操る事ができた。 カルトも折り紙を操るようになって、成長が凄く速くなった。 最初は勝てていたのに電撃が切れるまで勝てないようになってきた。 モモゼの協力があれば勝てるが、なければやばい。 成長したカルトの能力に親父や母さん達はかなり喜んでいて、カルトも満更ではないようだ。 ただ、常に本を読んでいないと落ち着かなくなるほど本好きになったのは問題だと思う。 後、元にしたザ・ペーパーよりも明らかに強い。 だって、陰陽師みたいな事までできるようになってるし。 その上に式神召喚ってなんだよ。 この式神はブタ君とライネスが作ったロボットらしいけど、装備がやばい。 ガトリング砲にミサイルとか、どこの戦艦だよっていうレベルだ。 ちなみに動力はライネスが事前に貯めておいたオーラだ。 カルトじゃすぐに枯渇するらしい。 親父達でも無理な量のオーラが使われている。 それほど、ライネスのオーラは総量が馬鹿みたいにあるようだ。 まあ、カルトは強くなったおかげか、俺とも普通に話すようになったし、モモゼと良くおしゃべりして、母さんと買い物に行くようになった。 俺もたまに付き合わされるが、その時はモモゼが基本的に横で話し相手になってくれているので助かる。 そんな日々が過ごす中、理不尽なイベントが巻き起こった。 「ちょっと三人で狩りに行こうか」 俺達が訓練と称してライネスにボッコボコにされた後で気絶する前に告げられた言葉だ。 そして、次に気付いたら三人で無人島に放り込まれていた。 手紙が残されていて、自力で指定された獣を狩ったり、獣の角を取って帰ってくるようにとの事だ。 相手は仮面の怪物でくそ強く、何時襲撃してくるかもわからない危険な存在だった。 島全体も常に霧がでていて、視界も悪く、恐怖しかない。 「じゃあ、後はよろしく頼むね。 シルバ・ゾルディック」 「了解した」 「一応依頼だが、殺さないように頼むよ」 「当たり前だ」 「この前、実験でうちの部下と執事達を叩き込んでやったら殺しかけたじゃないか」 「アレは、まさかネオン・ノストラードまでいるとは思わなかったからだ」 「まあ、事無きを得たからいいけどね」 「おかあさん。 わたしたちも遊んでいいんだよね?」 「姿を変えて遊んでおいで。 ただし、禁止事項は覚えているね?」 「うん! 殺さない! 手足を切り落とさない! 軽く斬ったり痛めつけるだけ!」 「そうだ。 これはあくまでも遊びであって殺し合いでもない。 仮面の角を取られたら終わりだからね。 それと島に設置した宝箱はくれぐれも壊さないように」 「は~い。 じゃあ、いこー!」 「ああ」 「肩に乗ってると、まるで親子だね」 「おとうさん?」 「待て。 それをキキョウに聞かれると俺がやばい」 「おじいちゃんが正解だね。 まあ、楽しんでおいで。 私がやばくなれば召喚するから、それまで決まり事さえ守れば好きにやるといい」 「うん。 またね、おかあさん!」 「いってらっしゃい」 カルトの能力を見てザ・ペーパーだと思った人は少なくないはず…… ちなみに書くつもりは今の所ないですが、キルア君達三人の訓練はハガレンで師匠によって無人島に放り込まれた感じです。 鬼はシルバ・ゾルディックとジャック・ザ・リッパー。 手加減はしてくれるけれど、強さはとんでもないです。 カルト君の念能力、式神召喚はゾルディック家の倉庫にある式神ロボットを召喚、転送及び送還するだけの力です。 事前に神字を書き込んだ札で陣を形成して、ロボットを置いておきます。 続いて呼び出すところに陣を作って召喚する感じです。 つまり、趣味的な感じなのでほぼ使えない。 兄と義理の姉のお願いだから仕方なく聞いているだけです。 なので普段はこれを使って本や紙を召喚します。 キルア君は原作通りで、神速と放電を覚えたぐらいです。 ヨーヨーはまだありません。 モモゼの念能力は自分で作ったぬいぐるみを操作するだけ。 現状では三体までです。 一つは発電機搭載型。 もう一つは竜の爪装備の近接戦闘タイプ。 最後はガトリング砲装備の射撃タイプ。 念弾を放つ感じですね。 ライネスのオーラがないとまともに運用できない物です。

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